老人ホーム入居者を不幸にする家族の危険な行為。思いやりの見直しを!

2018-04-14

 

老人ホームに入居している親や家族への面会。
「久しぶりに会うからおいしいものを食べさせてあげたいな。母は肥満で食事制限がかかっているけど、ちょっとくらい良いよね!」

「いつも刻んだ食事ばかりでかわいそう。今日は形のあるものを食べてもらおう。」

「だんだん歩けなくなる母。リハビリやってるのかな?私がやってあげよう!」

優しい様で、実は自分の事しか考えていない危険な孝行です。

 

 

勝手な飲食・リハビリはダメ!許可を取りましょう

 

老人ホームでは、職員でない方が入居者に飲食・リハビリを行うには許可が必要です。

「断られるのは分かっているから・・・」という位なら絶対に行わないでください。
その間違った親孝行が原因で喉をつまらせたり、体力を消耗したりしてしまうほど、高齢者は弱いものです。

元気に家で暮らしていた頃を基準に考えず、老人ホームに入居しているという事は、元気そうに見えても相応に弱っているんだと理解しておく必要があります。

医療・介護に従事している方なら分かる事ですが、問題なく飲食できている様に見えても誤嚥(ごえん:食べ物や飲み物・唾液などが気道に入ること。死亡率が高い誤嚥性肺炎の原因)している事があります。

その時は元気に歩いていても、夜になったら足が腫れあがっている事もあります。
私たちの勝手な行動が、大切な親や家族を苦しませてしまいます。
「苦しい、痛いよ」と寝言をいう入居者もいます。

家族の価値観はそれぞれです。
長生きを取るのか、どうにかなってしまっても願いをかなえてあげたいのか。
もう一度、何が大切なのか考えてみましょう。

案外、相談すれば許可が出たり、安全を考慮した折衷案を提案してくれるかもしれません。
まずは相談してみましょう。

 

誰に許可を得たらいいのか

許可を得るのは誰でもいいという事はありません。
近くにいれば看護師に聞いてください。

一番間違いがおこりやすいのは“介護士に許可を得る”場合です。

介護士に飲食の可否を判断する権利はありませんが、“確認を依頼する”事は問題ありません。しかし聞き方にコツがあります。
「おかしを食べさせたいので、看護師さんか専門の方に聞いていただけますか?」
この様に、介護士に許可を得るのニュアンスを避け、“聞いて来てください”という様に依頼してしまえ間違いありません。

介護士の専門知識は看護師のようにはありません。
個人差も幅広く、勉強している介護士なら重大さも分かりますが、危機管理ができないレベルの介護士は自分に決定権があると勘違いしかねません。

そして、「食べていいですよ」と勝手に許可を出してしまうでしょう。
命に関わって来る事ですから、疑いをもって慎重になって損はありません。

私は介護士ですが、介護士はまだ信用をできるレベルにないのが現状です。

 

実際にあった事例

 

・通院の外出許可を得ていた女性の入居者。帰ると足がパンパンに腫れあがり、夜になると高熱が出てしまいました。
家族に連絡すると「普段は歩かないのでたくさん歩かせました。何かありましたか。」
この方は家族思いで厳しい娘さんでしたが、認知症で「もう歩けない」とも言えない母親を何時間も歩かせ、結果的に数日間あるく事が出来なくなってしまいました。
そしてなぜか施設に文句を言ってきました・・・・

 

・普段ミキサー食(ペースト状の食事)が提供されている女性の入居者。なんと、家族があたりめを食べさせていました。
入れ歯もないのにあたりめです。飲み込むしかありませんね。
幸い気付くのが早かったため何事も起こりませんでしたが、窒息の危険性がありました。

 

・肥満で高血圧・糖尿病に悩む入居者。献身的な娘さんが毎回持って来るおかし。注意をしてもこそこそと食べさせ、仕舞には棚にあめ玉の大袋を隠す始末。
この方は家族でよく外出されるのですが、その際には必ずバイキング状態の食事をして帰ってきます。
すしに天ぷら、ピザにデザート・・・・糖尿病の高齢者が食べる量ではありません。

家族団らんで出掛けるたびに、大切な親が高血糖症状の危険にさらされるという事が理解できないようです。
とても大切にされているのに、長生きできないかもしれません。

 

・食事が摂取できなくなってきた女性入居者。旦那さまが大好きな飲み物を飲ませてしまいます。
本来は水分にトロミ(あんかけ状にする)をつけて提供しなければならない入居者ですが、旦那さまはベッドも上げずに缶ジュースをそのまま提供。

だんだん元気がなくなり、たんが絡んでいる事から確実に誤嚥(ごえん)しています。
こちらも何度注意しても内緒で行っています。
施設側も説明はしたのであきらめる事になりましたが、高熱が出て苦しむのは奥さま。
奥さまは、苦しんでまでジュースが飲みたかったのでしょうか。

 

自分の思いと本人の思いは違う

 

あなたがもし、“自分の行動で大切な家族が亡くなってしまっても、その家族の願いがかなえられるなら良い“という強い思いがあるのなら、それをしっかり施設に伝えましょう。

それから、もう一度“自分の気持ちが入居者である本人の気持ちと同じなのか”考えてみることが必要かもしれません。

家族が望むことと入居者本人が望むことが異なっていると、優しさではなく押し付けです。

価値観は人それぞれ。
生きることか・楽しむことか。望むものによって選択肢が変わって来ますね。

自分の気持ちだけで物事を考えず、しっかり入居している家族の思いを尊重する事が大切です。
一緒に生きて来たあなたの気持も大切ですが、親や家族の人生はその方のものですから。

Posted by garu-mama