介護ロボットの将来は問題だらけ?高額・使えない・手間が増える懸念

2018-03-18老後と介護

介護業界がロボット技術に注目されている事はご存じでしょうか。

日本の介護事情は世界でも劣っているうえ、介護士不足は深刻です。
超高齢化の波は【老老介護】という言葉をつくり、そしていま日本は【国民総活躍】を合言葉に女性の社会進出が増えました。

今後ますます介護施設の需要が高まる一方で、改善されない待機高齢者(施設入居まち)と介護士不足が重なり、日本の介護がとる手段は何でしょう?

【ロボット】【外国人労働者】【健康寿命】が今後のキーワードです。

今回はそのうちの【ロボット】に注目したいと思います。

 

 

日本の介護事情におけるロボット

 

ロボットに介護ができるのか

まずこれが気になりますよね。

皆さんはどんなロボットを想像しますか?
やはり二足歩行でしょうか。それとも車輪がついたタイプでしょうか。
何にせよ自分の身を預けるのですから、安心できるロボットでなければなりませんね。

人間同士の介護でも、介助に慣れない方は怖がって体に力が入っているのが分かります。
自分以外の何かに体のバランスを崩される・移動される・触られるという事は、怖いものだという事です。

想像してみてください。ロボットに口を開けられ歯磨きをされるとしましょう。
「口が裂けてしまうんじゃないか」「歯を折られそう」
そんな不安が想像できませんか?

介護におけるロボットは“介護される側”ではなく“介護する側”をサポートするものが中心になると考えられます。

 

人間とロボットどっちが介護に向いている?

介護には人間にしかできない特別な技術はありませんので、ロボットの方が向いていると思います。
ただし、会話や先ほど触れた安心感に関して言えば人間でなくてはダメでしょう。

近頃よくペッパー君を見かける様になりました。
興味本位でする会話は面白いですが、真剣には話せませんよね。

ですが安全性や皮膚の温度を測る・変化を見たりするといったアナログな部分では、スキルや注意力に差がある人間は向いていません。

 

高額な施設は“人の手で介護”という事が売りになる

※この項目はロボット=人型や直接介護を行うロボットという前提です。

よく【一つひとつを手作りで・・・・】という宣伝がありますが、これは私たちに“手作りの物は良い”という事が刷り込まれているからです。
確かに技術的に機械にできない事もありますが、精度は機械に任せる方がずっと信頼できます。
人間は何かあった時のために付いていて、作業はロボットが行う方が良いんです。

しかし、“人の手で”という安心感を高く売れるので、有料老人ホームのような高額施設ではロボットが重視されない可能性が考えられます。

どうしてもロボットに介護されるのが嫌でしたら、いまから莫大(ばくだい)な資産を残しておく必要があるかも知れません。

 

すでに介護で使われているロボット

介護のロボット化は少しずつ進んでいますが、ペッパー君のような人工知能(AI)ではなく、現在は介護する人の負担軽減をするレベルにあるようです。

残念ながら、自動で考えて動いてくれる様なロボットはありません。

いまある主なロボットは大きく【介護支援型】【自立支援型】【コミュニケーション・セキュリティー型】に分かれ、厚生労働省・経済産業省はこれを6分野13項目に分類し、その分野で重点的に開発を進めているようです。

製品としては重いものを持ち上げる補助や入浴の補助をするもの、見守りをするものが主なロボットになるようです。

いつの日かドラえもんやSF映画のアンドロイドのように、人工知能(AI)を備えた人型ロボットが介護を担う世界は来るのでしょうか。

国が開発を進める介護ロボットの表。6分野(移乗・移動・排泄・認知症の見守り・入浴支援・介護業務支援)

画像:介護ロボットON LINE

 

 

ロボットに期待できる事

 

介護の負担軽減

介護は体力と時間、そして屈強な精神力が必要です。
ロボットにより介護の負担が減れば、自宅介護をサポートできますし、施設では介護士の離職率が下げられる可能性が期待されます。

全部と言わずとも、「猫の手でも借りられたら、気持ちに余裕が持てて優しくできるのに・・・・」と思うのは介護士だけでなく、自宅で家族を介護している方も同じですよね。

むしろ本当に大変なのは自宅介護をしている方です。
デイサービスを利用でもしない限り、24時間365日介護から離れる事が難しいのですから、介護士から見ても間違いなく大変です。

個人的に施設より自宅介護向けのロボットをつくって欲しいと願っています。
もちろん介護保険で安価にレンタルできる事が前提ですが・・・・

 

ケア・医療知識

介護は生理的に受け付けないのでなければ誰にでもできる仕事です。
しかし人体構造を知り、医療を学び、笑顔と会話を駆使して高齢者を支えなければなりません。

起こしたり車椅子に乗せたりする様な移動技術(通称:トランス)だけでなく、難しい医療知識の勉強は職員によってばらつきが多く、勉強しない人はまったく分からず介護をしています。

もしもロボットがそういった知識を持ち、瞬時に状況判断・対応サポートできるのであれば、それこそ人間を減らしても介護ロボットを導入する方が良いかもしれません。

 

 

介護ロボットが解決すべき7つの課題!

 

1. 故障・メンテナンスの対応

不具合・経年劣化による故障・人的な要因の故障などさまざまですが、ロボットも電気製品なので故障はなくせません。
大型バッテリーを搭載していれば火災の原因になる事も考えられます。

また電気製品である以上、電磁波や妨害電波の影響も無視できません。
場合によっては誤作動による事故が考えられます。

メンテナンス会社は、要請があればすぐに駆けつけられる体制が必要です。

 

2. 理解力

人間の強みは臨機応変に考えられる事です。
ロボットはプログラムにない事はできません。

人工知能(AI)を搭載したロボットが開発されても、職員がロボットの監視をしながら介護をする状況が想像できます。

 

3. 導入費用

私が働く施設の入浴機械は1台1000万円です。
人間がすべて操作しているので自動ではありませんが、それでも1000万円です。
腰に装着するような介護サポートのロボットでも、レンタル6万円/月でした。

職員の代わりになるような介護ロボットは、高性能な人工知能(AI)を搭載しているでしょうから、一体いくら掛かるのでしょう。

技術が進歩してより良いロボットが出て来ますが、携帯電話のように買い替えるわけには行きません。
レンタル・リースが主流になり国からの補助があっても、高額な費用になる事には変わりありません。

 

4. セキュリティーの問題

健康管理や認識システムを導入すると利用者情報を管理する必要があります。

データベースへのハッキングによる個人情報流出・プログラム書き換えによる事故などの犯罪が心配です。
ハッキング技術とセキュリティーはイタチごっこだと言われていますから、案外身近な危険と言えます。

 

5. 責任の行方

ロボットが原因でケガなどをさせてしまった場合、責任の所在が不透明です。
誤作動で事故が起きたら開発メーカー・保守会社・施設、どこに責任があるのかはっきりさせておかなければなりませんね。

操作ミスなら職員ですか? それとも施設でしょうか。今は介護士が個人的に訴えられて莫大な慰謝料を請求される時代です・・・・
操作講習が必要ですし、機械が苦手な人は介護の仕事に就きたくないですね。

 

6. 結局、介護士不足は変わりない

装着型のロボットは介護士不足に対して大きな効果は望めません。

人の代わりに介護をしてくれるロボットでなければ、結局“”介護士が一人で行う仕事量が増えるだけ“です。

それこそが日本が出した答えかもしれませんが、「介護士の人数は増えない。それなら介護士一人当たりの仕事量を増やそう。心身の負担はロボットで軽減できると思うから頑張ってね」と言われているようにしか感じません。

 

7. 装着型は面倒なことが多い

現場で忙しく働く人間にしか分かりません。

ロボットを装着している時間さえもったいなく感じる介護士は多いはずです。
介護の現場はのんびりする時間なんて存在しないんですから。

日本の偉い方々は、休憩時間をしっかりとれるデスクワークや工場の頭で考えるからわからないんです。
介護現場において時間を使うという事が一番無駄だという事が。

それにロボットを装着した状態で利用者に触れるのは安全とはいい難いですよね。

ロボット事態常に装着して動き回るのは逆に大変ですし、その辺にポンと置いておけるものではないので、管理するスペースを行き来するなんて絶対にあり得ません。

そんな事をしている間に高齢者は転倒しています。

 

 

あとがき

 

介護ロボットが活躍する明るい未来は、まだまだずっと先になるのではないでしょうか。

まず高額な導入・メンテナンス費用は法人に払えると思いません。
その前に、施設の収入源である介護保険の制度を変え、儲かる施設づくりを可能にする必要があります。

現時点では、【費用が高額で導入できず、導入できても現場で重宝されない】ので、ロボット導入はアピールにしかなり得ないというのが私の結論です。

それよりも外国人労働者が低賃金で雇用される方が現実的ではないでしょうか。
もちろんそれはそれで問題ですが。

技術は発展して行き渡れば安く提供できます。
今後急速にロボット技術が発展・普及すれば変わる事も考えられますが、いまはドラえもんの世界のように“夢”として楽しみにしておくのが良いかも知れませんね。

 

 

2018-03-18老後と介護

Posted by garu-mama